コロナ対策無利子融資の条件~その対象・要件について~

中小企業支援制度

【新型コロナウイルス感染症特別貸付(実質無利子)】

※商工中金では危機対応融資という名称です。

 

この特別貸付は日本政策金融公庫、商工中金((株)商工組合中央金庫)で実施されております。もっと細かく分類すると、日本生活金融公庫の中でも国民生活事業と中小企業事業にわかれて実施されております。

 

そして、注意しなければならないのは、無条件で無利子になるわけではなく、無利子で融資を受けるためには2つのステップがあります。

実質無利子と大々的に謳っていますが、このハードルを越えないと、無利子にはなりませんので、当然に無利子になると思って、相談してがっかりなんてことのないように、これについても説明いたします。

 

 

1.制度概要と申込窓口の違いについて(日本政策金融公庫と商工中金)

冒頭の説明の通り、申込窓口が日本政策金融公庫と商工中金に分かれているだけでなく、さらに日本生活金融公庫の中でも国民生活事業と中小企業事業にわかれて実施されております。

 

では違いについてですが、

端的に言うと日本政策金融公庫(中小企業事業)と商工中金はほぼほぼ同じ条件です。

日本政策金融公庫(国民生活事業)だけがこの2つとやや異なります。

 

では、まず、日本政策金融公庫(中小企業事業)と商工中金の制度概要について、説明します。

 

(1)日本政策金融(中小企業事業)と商工中金における制度概要

①貸付上限額 3億円
②利息減免上限額 1億円
③返済期間 設備資金20年以内、運転資金15年以内

(いずれも据置5年以内)

④利率(一律金利) 1.11%

 

先ほど、この2つはほぼ同じだと申しましたが、両者の違いについても説明いたします。

日本政策金融

(中小企業事業)

商工中金
貸付上限額 3億円 3億円

(但し、元高20億円以内)※

その他 株主である中小企業の組合と、その組合員をご融資の対象(未加入の場合は要相談)

元高とは、貸出額の累計で、これが20億円までとなっています。ちなみに貸出限度額は日本政策投資銀行等との合算運用です。

あとは商工中金の場合、原則、組合員を対象としている点です。

これらが主な違いです。

 

では、日本政策金融(国民生活事業)について、説明します。

 

(2)日本政策金融(国民生活事業)における制度概要

①   貸付上限額 6,000万円
②   利息減免上限額 3,000万円
③返済期間 設備資金20年以内、運転資金15年以内

(いずれも据置5年以内)

④利率 1.36~1.55%

 

上限額が少なく、金利もやや高いです。えっ、なんで?ってなりますよね。

 

相当にざっくりとした解説ですが、

国民生活事業の位置づけとして、創業者や小規模企業など含め、対象者の幅広く小規模な資金を多く扱っているイメージです。

中小企業事業は、農林漁業を対象にしておらず、国民生活事業よりも大きな所へ、大きな資金を貸し出しているイメージです。

よって、国民生活事業のほうが、入口は相当に広くしている分、条件はやや厳しめにという設計になったものと考えられます。

まあ、制度設計の詳細は一部の関係者以外は知り得ないので、私も詳しくはわかりません。

 



 

2.無利子となるための条件について

(1)共通条件

まず、ひとつめは以下の①か②のいずれかに該当する必要があります。

 

①最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少した方

②業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の場合等は、最近1ヶ月の売上高が、次のいずれかと比較して5%以上減少している方

a 過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む。)の平均売上高

b 令和元年12月の売上高

c 令和元年10月~12月の売上高平均額

 

※個人事業主(事業性のあるフリーランスを含み、小規模に限る)は、影響に対する定性的な説明でも柔軟に対応です。

 

ここに該当すると、基準金利から0.9%の減免を受けることができます。

重要なのは、まず、ここに該当しないとそもそも次の条件に進めませんので、ここに該当しなければ、無利子融資の対象となりません。

 

(2)企業規模に応じた条件

では、ふたつめの条件についてですが、企業規模に応じて、以下の条件を満たす必要があります。

 

①個人事業主(事業性のあるフリーランス含み、小規模に限る):要件なし

②小規模事業者(法人事業者) :売上高▲15%減少

③中小企業者(上記➀➁を除く事業者):売上高▲20%減少

 

※小規模要件 ・製造業、建設業、運輸業、その他業種は従業員20名以下 ・卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下

 

 

以上のとおり、無条件で無利子になるわけではありませんが、第1ステップだけでもクリアできれば、▲0.9%なので、通常よりはだいぶ低い金利で借り入れが可能です。

 

この状況で資金繰りが厳しい先も非常に多いと思います。私が支援している先も非常に厳しい状況であります。終わりの見えない戦いだけに、疲弊も激しく、つらい状況ではありますが、一緒に頑張りましょう。

 

わずかでも皆様の参考となれば幸いです。




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